
3.3.4.4 FRP
1995年5月米国の電波航法計画が発表され、従来の積上げ式で肥大化した複合システムを廃止し、GPSべースのシームレスで効率的な一体化システムヘ移行するために着陸システムでは、
(1)MLS開発の中止、(2)WAAS(Cat ?)を1997〜2001年に導入、実施、(3)LAAS(Cat ?、?)を2001〜2005年に導入、実施、(4)ILSを2005〜2010年に廃止としている。
この他NDBは2000〜2005年に、VOR/DMEは2005〜2010年に、それぞれ廃止され、この通り進めば来世紀初頭には約50年間続いた旧システムは全部消滅し、代わってGPSべースの新システムが運用されることになる。
これは電波航法ユーザ会議の特に航空界からGPSべースの航法、着陸システムのNASへの短期導入に対する強い支持が背景に在ったことによるものと考えられている。このことについては昨年度に報告した通りである。
3.3.4.5 MTSAT
1999年には我が国においてもMTSATの1号機、続いて2004年には2号機を打上げ、更にその航法機能の補強のためWAASと互換性があり、その3機能を有するMSASを導入し我が国を取巻く地域での空域システム上の諸種の問題を衛星べースのシステムにより一元的に解決しようとする計画は既に報告されている。
3,3.4.6 進入・着陸システムの移行
進入・着陸システムは空域システムの一部であり他と全く独立して存在するものではない。我が国においても新システムを導入する場合空域システムの利用者であるユーザの便益を最大限に尊重して実施されるであろうと思われるが、上記のMSAS導入を考慮した今後の進入・着陸システム移行の一例を示すと次のようになる。
(1)進入・着陸にMSAS,LAAS導入の場合
MSASS(Cat ?)とLAAS(Cat ?、?)となる
(2)進入・着陸にMSASのみを導入の場合
(a)MSAS(Cat ?)とILS(Cat ?、?)、(b)MSAS(Cat ?)とMLS(Cat ?、?)
(3)進入・着陸にMSASを導入しない場合
(a)ILS(Cat ?、?、?)(b)ILS(Cat ?)とMLS(Cat ?、皿)、(c)MLS(Cat ?、?、皿)
我が国は、全世界のCat ?、?運航の85%を実施しているとするヨーロッパ等と異なり気象
に恵まれ数年前までCat ?、?のILSが運用されたことはなく、ILSを運用する環境もまたヨーロッパとは可成り異なる。また世界の主流がCat ?であることも考慮する必要がある。上記移行シナリオでMSASはCat ?用、LAASはCat ?、皿用とする。(1)でMSASの導入が2005年としその5年後にLAASとなればILSの使用は保護期間頃に終わることになる。
この場合もLAASは極少数ではあるが、その手段は高カテゴリでの着陸後の地上誘導、空港面監視等にも使用される完全一体化システムである。従って(2)、(3)の高カテゴリの場合地上誘導、空港面監視等に別の手段を準備する必要がある。(2)の(a)では最終的にILSが残ることになる
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